認知症を予防するために良い習慣・悪い習慣
認知症は少し前までは防ぐことができない病気とされてきました。しかし、近年、
認知症を発症する前段階である「軽度認知障害」が注目され、この状態で適切な予
防を行えば、認知機能の低下を遅らせることや正常な状態に回復する可能性がある
ことがわかってきました。生活習慣を見直し、改善することである程度の予防につ
ながることも多くの調査・研究で報告されています。
生活習慣病は認知症の大敵!
認知症の危険因子には「加齢」「遺伝」「性差」「頭部の外傷」
などに加え、さまざまな生活習慣病が大きくかかわっています。
なかでも、糖尿病、高血圧、脂質異常症などは、脳の血流に影
響を与え、認知症を発症するリスクが高いといわれています。
糖尿病になると動脈硬化が進行し、脳血管性認知症になるリスクを高めることがわかっ
ていました。脳の中にも存在するインスリンがアミロイドβという悪玉たんぱく質を外
にかき出す役割を担っています。糖尿病により脳のインスリンの働きが弱まることで、
脳の神経細胞の中にこのアミロイドβが溜まってしまうことがアルツハイマー型認知症
を発症する原因と見られています。
高血圧・脂質異常症は動脈硬化の最大のリスクであると同時に、脳血管性認知症の危
険因子になります。特に中年期の血圧のコントロールは重要で、中年期に高血圧であっ
た人はそうでない人に比べると、老年期に正常に戻した場合でも、脳血管性認知症にか
かる危険度が高くなるという調査結果もあります。
認知症になりにくい生活とは
認知症予防には、まず生活習慣病にならないこと。
またなってしまってもきちんと治療することが大切です。
これらの他に、脳の神経ネットワークを強化して認知機能を活性化させることも重要に
なってきます。バランスのとれた食事・適度な運動・十分な睡眠だけでなく活発に人と
交流し、趣味を楽しみ、積極的に社会参加するようにしましょう。
認知症になりにくい「よい習慣」 認知症になりやすい習慣
・食習慣 野菜・魚をよく食べる ・運動不足
・運動習慣 週3日以上の有酸素運動 ・喫煙
・睡眠習慣 30分未満の昼寝、起床時の日光 ・多量飲酒
・対人接触 人との交流 趣味を持つ ・食べ過ぎ、偏った食事
・知的行動習慣 読み書き、パズル ・本や新聞などを読まない
美術館や博物館などへ行く ・人づきあいがほとんどない
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