冬に流行する感染症と消毒薬の選択と使用方法について??
冬はインフルエンザをはじめとする呼吸器感染症、ノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。これらの感染症を予防するためには、感染源の除去や感染経路を遮断する等の感染対策が必要です。マスクの着用、手洗い、うがいを励行しますが、必要に応じ消毒薬を選択・使用し、手指や物品、生活環境を消毒します。
1.手指の消毒・・・通常、手指の消毒は流水による手洗いで十分ですが、目に見える汚れがない場合は、アルコールを含む速乾性擦り込み式消毒薬を使用することもできます。なお、ノロウイルスやロタウイルスは、アルコールに対する抵抗性があるため、アルコール含有の手指消毒薬は、手洗い後の補完目的に使用します。
■消毒薬の選択・・・速乾性擦り込み式手指消毒薬は、頻繁に使用すると手荒れを誘発する恐れがあるので、頻繁に使用する場合は、グリセリン等皮膚を保護・保湿する成分がふくまれた商品を選択します。なお、速乾性擦り込み式消毒薬はエタノールを含むため、傷がある手指には使用できません。目に見えるような汚れがある場合は、予め石鹸と流水で汚れを除去してから使用してください。
2.物品・生活環境の消毒・・・物品の消毒は、通常、熱水や煮沸等熱による消毒を行いますが、熱による消毒ができない物品には、消毒薬を使用します。また、室内等の生活環境は、清掃や換気で衛生管理をおこないますが、室内で頻繁に手が触れる部分(ベット枠・テーブル・椅子・ドアノブ・玩具等)には消毒薬を使用します。
■消毒薬の選択・・・物品、生活環境の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム、エタノールイソプロパノール、ベンザルコニウム塩化物等を含む消毒薬を使います。なお、次亜塩素酸ナトリウムは、金属に対して腐食性が高く、漂白作用があるため、金属を使用したもの、色物、柄物には使用出来ません。食器、調理器具は、予め洗剤で洗浄後、0.02%次亜塩素酸ナトリウム液に10分間浸し消毒します。食器、調理器具の消毒に、エタノールを用いることもできますが、ノロウイルスやロタウイルスには十分効果が得られない場合があります。
3.糞便・嘔吐物の消毒・・・ノロウイルスやロタウイルス感染者から排泄された糞便や嘔吐物には、大量のウイルスが含まれており、二次感染の感染源になります。そのため糞便や嘔吐物は必ず処理します。ノロウイルスやロタウイルス消毒薬に対する抵抗性があるため、ウイルスを完全に失活させるには、次亜塩素酸ナトリウムを使用します。糞便や嘔吐物を処理するときには、使い捨てエプロン、マスク、手袋を着用し汚物が飛び散らないようにペーパータオルで外側から内側にむけて静かにふき取ります。その後、0.02%~0.1%次亜塩素酸ナトリウムで浸すようにふき取り最後に水拭きします。ふき取りに使用したものは、ビニール袋にいれ、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に浸し、密閉して廃棄します。
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