口呼吸していませんか?~かぜをひきやすいのは口呼吸のせい?~
呼吸には口で行う「口呼吸」と、鼻で行う「鼻呼吸」があります。人間以外の多くの生物にも「口」がついていますが、口呼吸ができるのは、実は人間だけです。犬がハァハァと舌を出しているのは体温調節を目的に行われているものであり、口呼吸とは異なるのです。
鼻の穴はなぜ2つあるのか? 
目は物を立体的に見るために2つ、耳は左右の音を聴くために2つ、口は1つです。そこから考えると、2つの鼻の穴で呼吸する良い点が分かります。鼻は、「異物を除去し、温かく水分を帯びた空気を体内に取り入れるため」にありますが、鼻の穴が2つである理由は、穴が1つより、2つのほうが表面積が増えて、空気中を浮遊する微粒子や病原菌を粘膜に多く付着させ、排除することが出来るためと考えられます。
ところが口呼吸では、外気がそのまま取り込まれるため、口の中や気道が乾燥し、のどに炎症や痛みが起こったり、のどの両脇にある扁桃腺の腫れなどが起きやすくなります。また異物やウイルスも直接侵入するため、インフルエンザなどの感染症にも罹りやすくなります。
鼻がつまって口呼吸になると、「のどがヒリヒリする」「のどがカラカラに乾燥する」と感じますが、鼻呼吸によって取り入れる空気は、柔らかく、湿度を持っていて温かいのです。そのことからも鼻呼吸の良さが分かります。
≪風邪予防と鼻づまりの改善で鼻呼吸の継続を≫
風邪の主症状がのどの痛みであっても、実はその原因が鼻づまりである可能性も考えられます。鼻づまりを改善することでのどの痛みが軽減されることもありますので、かぜをひいた場合はぜひ鼻の症状にも目を向けてみましょう。
口呼吸のほとんどは鼻づまりが原因と考えられるため、日常生活においては鼻の通りを良くしておくことが大変重要です。特に、かぜは鼻づまりの最大の原因といえ、日頃からうがいや手洗いの励行、規則正しい生活習慣、十分な睡眠などで予防を心がけましょう。