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2018年3月号

  歯周病と全身のかかわり

 

 

  歯周病は歯の周りの組織であるハグキ(歯肉)や歯槽骨などの病気で、細菌によっ

て引き起こされる感染症です。お口の中に定着すると、炎症が起こり、ハグキが赤

くなったり、腫れたりします。

この炎症が継続して起こると、歯の周りの組織(歯周組織)が破壊され、最後には

抜け落ちてしまいます。

今回は歯周病と関連があるといわれている症状についてご紹介します。

 

歯周病と全身のかかわり

これまで歯周病は、お口の中だけの病気と考えられてきました。しかしながら、近

年、歯周病が全身のもたらす影響、また全身が歯周病に与える影響についての研究

が進められています。歯磨き

 

糖尿病             

糖尿病は血糖を下げるホルモンが足りなくなったり、

うまく作用しなくなることで、高血糖が続く疾患です。

様々な合併症が起きやすいとされており、歯周病は糖尿

病の合併症として捉えられております。糖尿病でない人

に比べて歯周病になるリスクが高いという報告や、歯周病の治療によってハグキの炎症

が改善すると、インスリンが働きやすくなる可能性があるという報告があります。

 

心疾患             

心疾患は、食生活や運動不足、ストレスなどの積み重ねが引き起こす生活習慣病です。

歯周病のある人は、ない人と比べて心疾患を発症するリスクが高いことが報告されてい

ます。また、歯周病が重篤であるほど、心疾患の発症リスクが高くなると言われていま

す。これは、歯周病によってハグキで産生された炎症物質が血流を介して心臓血管にも

影響を及ぼすためと考えられています。

 

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

肺や気管は、咳など身体が生理的に反応することで守られています。生理機能が衰える

と、自らの唾液や食べ物が誤って肺に入り、肺炎を起こしてしまいます。これを誤嚥性

肺炎といい、唾液中に含まれる細菌が主な原因です。

歯周病菌は肺炎の原因菌となるものが多いので、高齢、認知症、脳血管障害、手術後な

ど食物の飲み込みを上手く行えない人は注意が必要です。

 

骨粗鬆症(こつそしょうしょう) 

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより、骨が弱くなる病気です。

全身的に骨が弱くなると、歯を支える歯周組織にも影響があると考えられています。

歯周病は、歯を支えるハグキを破壊する病気です。歯槽骨が弱くなると歯周組織の破壊

が進みやすくなるため、骨粗鬆症は歯周病を進行させる一因と考えられています。

 

 

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