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2018年12月号

介護予防、高齢者の生活の質を考えましょう!!「フレイル」ってなに?

“年をとると足腰の筋力が衰えて歩くのも大変になる”以前は老化現象と考えられていた状態が「フレイル」という名称で呼ばれ始めています。
健康な状態と要介護の状態の中間段階であり、加齢に伴い心と体の働きが弱くなってきた状態を表しており要介護予備群と考えられています。
日本は世界有数の長寿国と言われていますが、健康寿命と平均寿命の差は約10年程ありその期間は介護が必要と考えられます。
この期間をいかに短縮できるかが近々の課題です。フレイル

フレイルの種類
・身体的フレイル(体重減少や筋力低下など)
・精神的・認知的フレイル(気力の低下や物忘れなど)
・社会的フレイル(閉じこもりなど)
複数の要因が多面的にからみ合っています。その中でも
当面の最も大きな問題となるのが身体的フレイルで筋肉を
減らさない為の取り組みが重要です。

フレイルチェック
① ・疲れがとれない・食欲がでない・歩くのが遅くなった・握力が減った・出かけたくない
上記5項目中3つ以上該当する場合フレイルの可能性があります。
② 筋力低下の簡単なチェック法として、両手の親指と人さし指で輪をつくりふくらはぎの最も太い部分を囲んで指の間に隙間ができるようなら筋力の低下が疑われます。

フレイルへの対応
  フレイルの主要な原因は低栄養から筋力低下が進む悪循環から始まり活動性の低下が進みます。
対策として筋肉を作る為に十分なタンパク質(肉・魚・卵・大豆製品など)と骨の維持にカルシウム(牛乳・乳製品・小魚など)を摂取し、その上で日常生活の中で筋力を向上させるスクワットや散歩など簡単な運動を行いましょう。
無理な運動は転倒や骨折の危険を伴うので、自分の状態に合った運動を調節して行いましょう。

フレイルへの介入
運動機能・認知機能の低下を防ぎ社会的な関わりを保ち続けるように導くことが大切です。
持病のコントロールや運動と栄養指導、しっかり食べれるように歯科検診など口腔機能の管理、感染症予防のためのワクチン接種、社会的なつながりを保つためなるべく他の人と一緒に食事をしたり会話をする機会を作りましょう。

 

介護予防には高齢者本人や身近にいる家族がフレイルの状態を知り介護状態へ進行させないための日常的な配慮を行っていくことが有用です。
高齢者のフレイルに早く気付き適切な対応や予防をすることで健康寿命を延ばし充実した人生を送ることも可能となります。

発行  フジ薬局 医薬情報会 Tel 024-925-0978  http://fuji-pharm.jp

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