摂食嚥下障害について
「おいしいものを見ると思わずつばが出る。」食欲は人間の大切な欲求の1つです。
目の前のものを食物として認識し、口に入れ、噛み砕いて、胃に至るまでを摂食と言い、
噛み砕いたものを喉の奥から食道を経て胃へ導くことを嚥下(えんげ)と言います。
そこには口、咽頭、食道、鼻腔などの神経や筋肉が深く関わっており、うまく食べられない
状態を摂食嚥下障害と言い、嚥下障害と言う事もあります。
「原因は大きく3つ」
最も多いのは脳卒中(脳梗塞や脳出血)で関連する神経や筋肉の障害により、
摂食嚥下障害の後遺症が残る場合です。
また神経や筋肉に病気をもつ人は、持病の進行に伴い
障害が進む恐れがあり、手術後などで絶食が続くことで食べる力が急速に衰えることもあります。
大病をしていない人でも…
年をとると全身の筋力が衰える為、飲み込みに必要な喉の
筋力が落ち、うまく飲み込めなくなることがあります。
筋肉の減少をサルコペニアと言い、高齢者の嚥下障害の原因として
注目され、放置すると食物や唾液などの異物が気管に入る誤嚥性肺炎を招く要因となります。
「嚥下障害のサインをチェックしましょう!」
◆お茶や食事でむせる ◆食事中や食後、それ以外にも痰が絡んだ感じがする
◆硬いものが食べにくい ◆口から食べ物がこぼれる ◆口の中に食べ物が残る
◆飲み込みにくい ◆喉に食べ物が残る ◆繰り返す肺炎 ◆明らかな体重減少 など
ときどきや1度だけなら心配は少なく、頻繁に繰り返すときは嚥下障害を疑います。
今口から食べられている人も、毎日の簡単なトレーニングで筋力アップをはかっていきましょう。
≪舌の筋トレ≫
スプーンで舌を押さえる一方で、そのスプーンを持ち上げるように舌に力を入れる。
数秒間続けたら、少し休んで10回程繰り返して1セット。食事の前などに行うと効果的です。
≪スルメ噛み≫
噛む力をつけるには、スルメなどのように、なかなか噛み切れない食品を使い、
噛みしめる訓練をすると良いでしょう。(痛みがある時は避けましょう。)
病気に伴う嚥下障害は病気を診ている医師を中心にサポートが計画され、病気は特にないが嚥下障害が考えられる場合は、まずはかかりつけの医師や身近な介護職(ケアマネージャー等)に相談ください。さまざまな専門職がチームになり、症状に合わせたサポートを計画する事になります。
発行 フジ薬局 医薬情報会 Tel 024-925-0978 http://fuji-pharm.jp