軽度認知障害について
認知症は動脈硬化により脳への血流が悪くなり、神経細胞のまわりにアミロイドβペプチドが黒いシミ(老人斑)を作り、またタウたんぱくが神経細胞を傷つけ起こると考えられています。異常タンパク質の蓄積は早い人で40代から始まり、ゆっくりと進行します。日常生活に支障のない認知症の予備軍を軽度認知症Mild Cognitive Impairment(MCI)と言い、高齢者の4人に1人がなると言われています。軽度認知障害は食事や運動に気をつけて脳を活性化することで進行を遅らせ脳の機能を戻すことも可能です。早期発見が進行を防ぐ最大の対策となります。
「まずは脳の老化を定期的にチェックしましょう」
認知症と老化は異なりますが、初期の症状は重なるものがあります。
□昼間の居眠りが増えた。
□聞き返すことが多くなった。
□頭の中がぼーっとしている。
□しまい忘れ、起き忘れが増えた。
□意欲が湧かなくなった。行動力が衰えた。
□甘いものが好きになった。
□つまずいたり転んだりすることが増えた。
□うっかりミスが増えた。集中力がなくなった。
□別の作業を同時進行するのが苦手になった。
□寝つきが悪くなった。眠りが浅くなった。
□会話の流れについていけなくなった。
「次に5単語テストをしてみましょう」
①友人や家族と関係のない単語を5つ紙に書いてゆっくり読み上げます。
海、電車、看板、きりん、図書館
②しばらくテストの事を忘れ、5分後に5つの単語を思い出します。
思い出せる単語が3つ以下の時はさらに詳しい検査を受けましょう。
「脳の老化を防ぐには」
・低栄養を防ごう!
運動量が減って少食になり、栄養が十分に摂れていないとエネルギーの生産が減り脳の働きも低下します。
お勧めは卵、ツナ、鶏肉、豚肉、豆腐、牛乳、ヨーグルト・しじみ・・・
・脳血管の老化を防ごう!
動脈硬化で血流が悪くなり、脳は栄養不足になります。
お勧めはイワシ、サバ、サンマ、アマニ油、エゴマ油、納豆・・・
・脳トレが有効!
何歳になってもエネルギーと刺激があれば能力が高まり回復する力があります。
パズル、計算、漢字ドリル、音読・・・
・筋トレをしよう!
有酸素運動は中性脂肪を減らし、脳内ホルモンや神経伝達物質の分泌を盛んにします。
1日30分ながらウォーキング(計算しながら・しりとりしながら・手をたたきながら)
軽度認知障害が考えられる場合はかかりつけ医に相談し、診断が難しい場合は専門医を紹介してもらいましょう。また、身近な介護職や高齢者安心センターに相談することもできます。早めの対応で回復や現状の維持が期待できます。