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2020年3月号

新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に関する情報

昨年末から中国武漢を発生源として新型のコロナウイルス感染症が確認されて以降、日本国内でも感染経路の不明な同ウイルス感染患者の報告が相次いでいます。

この感染症は、過去に人での感染が確認されていない新種のコロナウイルスが原因で、現在のところワクチンや治療法が確立されておらず今後どのような経過をたどるかもわからないため混乱している現状です。

毎日のように新たな情報が入ってきていますが、現時点の状況をお伝えいたします。

 

新型コロナウイルスの特徴

・一般的な風邪の原因となるウイルスの1つと考えられており、既知の強毒性のコロナウイルスと比べ

ても、新型コロナウイルスはそこまで強い病原性はないと見られています。

・主に呼吸器感染を起こし、カゼ症状および肺炎を発症すると考えられます。特異的な症状は認められ

ず、発熱や喉の痛み、1週間前後続く咳、筋肉痛や強いだるさを訴える人が多く見られます。

・現状のデータ分析で80%以上の患者が軽症で回復しますが、一部で呼吸困難や多臓器不全など命に

関わる病状が見られるとしています。

・重症化しやすい人は、高齢者や糖尿病などの持病を持つ人に多いことが分かっています。

・今回の新型コロナウイルスは依然として不確定な部分も多く、今後更なる毒性の変化や感染拡大も懸

念されます。

 

予防のポイント

現時点ではワクチンも開発されていませんので、できるだけ発熱や咳などの症状がある人との接触機

会を控える事と日頃の手洗いを心がけることが重要です。

 

  • 手洗い・消毒の徹底
  • 様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。特に
  • 外出後や咳をした後は、流水や石鹸による手洗いをこまめに行いましょう。
  • アルコールによる手指消毒も有効です。

 

  • 普段の健康管理
  • 十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけ、日頃から免疫力を高めておきましょう。
  • 空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。乾燥しやすい室内では加湿器などを使
  • 用し適切な湿度(50~60%)を保ちましょう。

 

  • 咳エチケット 
  • 他の人にうつさないために、くしゃみや咳がでるときはマスクを着用する。マスクがないときはハンカチ・ティッシュなどで鼻と口を覆い、周囲の人から距離をとりましょう。

 

新型コロナウイルス感染症が疑われる時は

発熱などの風邪症状が見られるときは学校や会社を休み外出を控えて自宅で安静に療養し、毎日体温を測定して記録しましょう。

症状が続く人は、すぐに医療機関を受診せず、まず帰国者・接触者相談センター(近隣の保健所)に相談後、必要に応じて指示に従い専門の医療機関を受診しましょう。

・相談の目安

◎風邪症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている人◎強いだるさや息苦しさがある人

(ただし高齢者、糖尿病・心不全・呼吸器疾患の持病がある人、透析を受けている人、免疫抑制剤や

抗がん剤の投与を受けている人、妊婦さんは重症化のリスクがあるため2日程度続く場合)

 

現在国の施策として、簡易診断キット・抗ウイルス薬・ワクチン・既承認薬からの治療薬選定などの開発が早急に行われています。併せてマスク不足の改善に向けての環境整備も行われております。

特に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は、人込みはできるだけ避けて下さい。

現状では、過剰に心配することなく、1人1人が感染予防の意識を高め、風邪やインフルエンザと同様に、まずは咳エチケットや手洗い等の感染症対策を行うことが重要です。

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